採ることだけでももちろん楽しい潮干狩りですが、ほとんどの場合食べることもセットだと思いますので、ここでは美味しく食べるために必要なノウハウや注意点を書いてみようと思います。潮干狩りの最中や持って帰る際の鮮度保持、それから重要な砂抜き、その後の保存方法などです。もちろん人によって、あるいは状況によっていろいろなやり方があると思いますが、ボクがいつもアサリでやってる方法を紹介しながら手順や要点をまとめてみます。料理についても少しだけ紹介しますが、これは今やネットでいくらでも調べることができますので、できればそちらを参考にしてください。貝の種類ごとにどのような食べ方が美味しいのかは市場魚貝類図鑑に詳しいです。それぞれの具体的なレシピについてはクックパッド等を。

潮干狩り中

装備のページでも書きましたが、採れた貝はまずザルに入れておき、ある程度たまったら水たまりで洗って砂を落とし、しっかり水を切ってから蓋つきのバケツに移します。注意する点はとにかく貝を弱らせないこと。

 

●貝が無駄に開かないようにする

貝が無駄に開くと中の水分を失ったり体力を消耗して、ということはアミノ酸や糖分を失って味が落ちたり、砂抜きの際に砂を吐き出す元気がなかったりして、美味しくたべれなくなる原因になるわけです。そうならないように、しっかり水気を切ってからバケツに移します。砂抜きを兼ねようと海水に浸けておいても、動かすたびにまた砂を噛んで意味ないですし、貝が無駄に体力を消耗したり海水の汚れで貝が弱るだけのような気がします。しっかり閉じた状態なら乾燥にもかなり堪えますし弱りにくいです。

 

●温度管理

4月ぐらいまでは特に気にしなくてもいいですが、5月以降、特に梅雨明け以降の暑い日は日差しで温度が上がらないように気をつけます。ザルに入れる時はむしろ砂がついたまま。そしてこまめに洗ってバケツに移します。洗った状態でザルに放置するのは厳禁です。すぐ乾燥して直射日光で温められてしまいます。逆に魚釣りのように氷の入ったクーラーに入れるなども厳禁。冷やすと貝が死んでしまいますから。

持って帰るとき

これも同じでとにかく貝が弱らないように気を使います。

 

●まず真水で洗う

水場があればいいのですが、ないことも多いのでペットボトルやポリタンクに水道水を持っていきましょう。水道水は手や道具を洗うのにも必要ですし。それでまずザバザバガシャガシャと貝を洗ってやります。そうするとアサリは真水を嫌って硬く閉じます。 一度硬く閉じたアサリはなかなか弱りません。そして網袋などに入れて水気を切った状態で持ち帰ります。

 

●温度管理

潮干狩り中と同じで、温まらないようにかつ冷やさないように、です。まあ4月ぐらいまではクーラーにただ入れておくだけでいいです。くどいようですがクーラーに氷や保冷剤は入れません。暑い季節に車内に置いておくなど、どうしても温度上昇が心配な場合は、冷えたペットボトル飲料をタオルに包んで入れておくなどして対応します。

●ハマグリやマテガイの場合

アサリと違ってハマグリはあまり真水を嫌わないし、少しでも水分があると開いて足を伸ばそうとしますので、上記の方法でもすぐ弱ってしまいます。なのでできるだけ早く家に帰って砂抜きを始めるか、それが無理(2時間以上かかるよう)なら移動中に砂抜きをします。その場合蓋つきのバケツにできるだけ多く海水を汲んで網袋ごと浸けておき、できるだけやさしい運転で帰りましょう。

マテガイは砂抜きの必要のない貝です。なので活かしておくために海水に浸した状態で持って帰ります。

 

●海水を持って帰る

砂抜き用の海水です。真水を持ってきた容器を使って海の水を持って帰ります。 作った食塩水よりはやっぱり現地の海水の方が貝が元気に開きます。量は貝1kgあたり2リットル程度確保したいところ。潮干狩りをした干潟だと汲みにくいし濁ってるので、近くの漁港などによって岸壁から汲んだ方がいいでしょう。そのために水汲みバケツを用意。

 

 

砂抜き

砂地で貝を掘ると掘った瞬間にキュッと殻を閉じてしまいますが、このときに砂を一緒に挟み込んでしまいます。マテガイは例外的に殻が完全に閉じない作りになってるので、ただ洗うだけで良いですが、その他の二枚貝や巻貝は再度殻を開かせて砂を吐き出させないと美味しく食べることができません。というわけで砂抜きのやりかたです。また獲物のページでも書きましたが、シオフキやオキシジミなど砂の抜けにくい貝の場合は、ほどほどに砂抜きをやってあとは調理中、剥き身にしてから再度砂を洗い落とすようにします。

 

●容器、他 
出来るだけ広い容器を使って貝があまり重ならないようにします。重なってると上の貝が吐いた砂を下の貝がまた吸い込んじゃいますので。普通は大きめのボウルや桶のような容器を使いますね。クーラーの箱をそのまま使ってもいいです。写真はキッチンの水切りバットを流用。吐いた砂がカゴの下に分離されるし、洗うときもバサッと水を切ることができるので便利です。もうちょっと深くて目の粗いものが使いやすいかな? そして貝が完全に浸るまで海水を入れて放置します。もし海水が足りなければ水道水で3%の食塩水を作って足します。あと貝が水を吹いて周りが濡れるので、濡れてもいい場所でやるか、タオルを敷いておくなどの対応を。また巻貝の場合は種類によりますが脱走することがあるので必ず蓋をしましょう。

●暗く静かにする。 
明るいよりも暗い方が貝の開きが良くて、足や水管も良く伸ばします。あと何か刺激があるとすぐ閉じちゃってまた砂を噛んでしまうことがあります。冷暗所に置くか覆いをして静かにしておき、頻繁に覗いたりいじったりするのはやめましょう。動くのを見てるのは楽しいですけどね。


●時間 
貝が元気だと2、3時間でほとんど砂は吐いてしまいます。というかそれぐらいで砂を吐かない貝は弱ってるので、それ以上やってもあまり効果ありません。それと吐き出した粘液などで水質が悪くなって、それもまた弱る原因です。なのでスケジュール上しかたなく一晩置くようなことになっても、朝には必ず止めて洗うようにしましょう。

あるいは循環ポンプとフィルターなどを使って水質を維持すれば2、3週間ぐらい活かしておくことはできますので、アクアリウムの設備を持っている人は砂抜きというよりは一つの保存方法として試してみても良いかもしれません。

ちなみに長期の飼育については何度か挑戦してますが、今のところ半年程度が限界のようです(トピックス参照)。

 

●洗う

海水を捨てて水道水でガシャガシャすり合わすように洗います。洗ってザル等で水を切るというのを何回か、砂や粘液のヌルヌルがなくなるまで繰り返します。

保存

砂抜きが終わってすぐ料理してしまう場合とか、まあせいぜい2、3日で食べきってしまう場合は特に考えることもないのですが、大量に採れたときなどは数ヶ月に渡って保存したものを食べることにもなります。ボクの場合はだいたい次のようなパターンでやってます。

 

●2日のうちに食べる分

洗って水を切ったあと、その日のうち+次の日に料理する分を分けてジップロックに入れて調理まで冷蔵庫で保管します。まあ乾燥しなければいいので、ボウルに濡れ布巾をかけて、とかでもいいです。

 

●3日目以降に料理するもの

洗って水を切ったあと、ジップロックに入れて即、貝が元気なうちに「冷凍」します。調理(加熱)してからの保存よりこの方がずっと美味しいし長持ちします。2、3週間は新鮮なものとほとんど変わりませんし、多少味や食感が落ちますが半年ぐらいは大丈夫です。調理する際は解凍せずに凍った状態のものを直接投入して、加熱したら生のときと同じように開きます。解凍してしまうと体液が流れ出てしまうし、開きにくくなるので絶対解凍しない事。ジップロックでなく真空パックなどあればなお良いです。

塩を抜く?
砂抜きをした直後の貝は、中がみっしりと海水で満たされています。なのでスーパーなどで買うパック入りのアサリと同じように調理すると、どうしても味付けが塩辛くなります。そこで半日ほど常温で放置して、中の海水を吐き出させる方法があります。
ストレスから(?)か体内の旨味成分が増すという説もあり、やってみるのも良いかもしれません。

ただ海水を吐くのは貝が弱って強く閉じていられなくなったということですから、ボク個人的には、せっかく新鮮な貝をわざわざ弱らせるのは本末転倒だろうと考えています。プリプリした歯触りや、苦みや臭みの少なさは、やはり採れたての活きのよさならではのもの。なので塩抜きはしません。酒の肴にするなら塩辛くても良いですし、日頃のおかずとしては野菜をたくさん入れる​などレシピのほうで工夫します。以下、参考までにボクが日常的によく作るものをいくつか紹介します。簡単でいろいろと応用が効くと思いますので。

料理 
上記のような理由で野菜を多めに加えるレシピの参考例として、酒蒸し系とホイル焼き系を紹介します。まあネットを見ればいろんなレシピサイトがありますから、もっといろいろバリエーションを増やしたい場合はそちらも見てください。


●酒蒸し系 
普通の作り方は深めで蓋のできるフライパン等を火にかけ、日本酒とアサリをドカッと投入、蓋をして蒸し焼きにして、貝が開いたら出来上がり。味付けは貝の中の海水の塩味だけで、最後にネギを散らす程度のシンプルな料理です。ハマグリやマテガイでもできます。

右の写真はキムチを一緒に投入したもの、それとさらにモヤシを投入したものです。塩味をマイルドにしたい時は、ほかに白菜や玉ネギや白ネギ、キノコ類などを加えて野菜たっぷりにすると良いです。貝の旨味のしみた野菜が美味い。

日本酒ではなく白ワインを使った味付けもたまにやりますが、日本酒の方がいろんな種類の野菜と相性が良くて、アレンジの幅が広いように思います。

 

●ホイル焼き系

酒蒸しと似てるといえば似た料理法ですね。野菜を使っていろいろアレンジできるのも酒蒸しと同じですが、お酒は使わず(使ってもいいです)、味噌や柚子胡椒、スパイス類などの強い味付けを楽しみたいようなときにやります。

あとは大物のハマグリですかね。グリルで焼きハマグリにしようとすると炎で殻が弾けて大変なことになったり、しっかり火を通そうとするとカピカピになったりいろいろと難しいので、そういう時はホイル焼きが確実で良いです。

本格的にはグラタン皿とかに入れてオーブンで焼くのでしょうが、それの簡易バージョンです。アルミホイルの上に適当に切った野菜を並べてその上に貝を置き、味付けをしてホイルを閉じます。それをガスコンロのグリルとかオーブントースター、フライパンなどで焼いたら出来上がり。

写真はマテガイとハマグリを味噌仕立てで、白ネギやエリンギと一緒に蒸し焼きにしました。特にマテガイは独特のクセがあるので、なにか強い味のものと組み合わせるのがいいですね。

カレー粉やケイジャンスパイス、アリッサ、マヨネーズなどを使っても面白いです。胡麻油とXO醬で中華風とかオリーブオイルとニンニク(もしくはアヒージョの素)で地中海風とかも。