マテガイは干潟に垂直に深く(50cm以上?)潜ってますから、普通に掘って採ろうと思うとものすごく大変なのですが、塩を振りかけると自分から飛び出してくるという面白い性質があって、それを上手く利用して採ることができます。なぜか? というのもよくわかってないらしいのですが、塩辛くてビックリするとか潮が満ちてきたと勘違いするとか諸説あります。まあやってみるととにかくスリリングで面白いのでハマりますよ。
ポイント
ポイントの特徴としては砂が硬いところということですね。粘土質とまではいきませんが、粒子が細かくて硬く締まる砂質の干潟によくいます。まあそれだけを頼りにポイントを探すというのは難しいので、最初は潮干狩り客がマテガイを採ってる実績のある場所を探して行きましょう。持ってる道具が普通の潮干狩りとは違うのですぐわかると思います。
道具
必要なのはまずマテガイの穴を見つけるための道具。マテガイの穴は表面が埋まってしまってますので、鍬などの道具でちょっと掘って穴を見つけないといけません。それと塩を振りかける道具です。他は普通の潮干狩りの装備と変わりません。
●鍬
スコップでもやれないことはないのですが、ちゃんと掘ろうと思うならあったほうがいいでしょう。人によって工夫していろいろなタイプの鍬を使ってるようです。右の写真はモルタルをこねる時に使う柄の短いタイプ。もっと刃の長いものや柄の長い草刈り鎌を使ってる人もいますね。要は効率よく綺麗に穴を見つけられて疲れにくいものがいいですね。
●カイカキ
カイカキを使ってもいけます。最近はボクはほとんどこちら。砂の硬いポイントなのでハマグリ専用モデルのほうが使い良いかもしれません(マテガイ専用モデルの構想もありますが、そこまで特殊な形が必要というわけでもないので今のところ作ってません)。砂を切るのではなく、ちょっと差し込んだあと刃全体で砂を抱えるようにして塊ごとボッコリと起こすように使うと、マテガイの穴がはっきりと現れます。穴を擦らない分、形が崩れにくくて良いです。
●塩のディスペンサー
お好み焼き屋さんでマヨネーズが入ってるアレです。口の部分を穴が5mmぐらいになるように切って中に塩を入れて使っています。1回の潮干狩りで一人これ2本ぐらい使います。500gから多くて1kgぐらいでしょうか。塩はスーパーとかで売ってる普通の食塩ですが、結晶状のものより顆粒状のサラサラしたタイプのほうが使い易い。
容器は他にもペットボトルや洗剤の容器を流用してる人とか、ただタッパーとかに入れた塩をスプーンで振りかけてる人もいます。
穴を探す
砂の表面を見てもどこに潜ってるのかはほとんど分かりませんが、鍬やカイカキを使って表面の砂を掘るとマテガイの穴がくっきりと現れます。マテガイの穴はちょっと楕円形をしてますね(マテガイの断面形を想像してもらえれば分かると思いますが)。真ん丸な穴はカニの穴です。
塩を振りかける
マテガイの穴を見つけたら塩をひとつまみ振りかけます。必ずしもたくさん穴の奥に入らないといけないわけでもないみたいで、ほんのちょっと中に落ちていくぐらいの量で良いです。するとマテガイがニョキッと出て来ます。それを素早くつかんで、ヤツが必死に踏ん張ってるのをじわじわと引きずり出します。あまり強く掴んだり強引に引っ張ったりすると、割れたりちぎれたりするので慎重に。塩に対する反応はまちまちで、すぐ出てくるのもいれば2、3分かかるのもいるし、すぐ引っ込んだり、飛び出たままになるのもいるし、いろいろです。躊躇してるとすぐ引っ込んでしまうヤツが多いので、掴むタイミングが最初はちょっと難しいかもしれません。やってみるとホント面白くてついつい夢中になります。
採ったマテガイは?
マテガイは二枚貝ですが完全に閉じてしまうような作りになってないので、海水につかってないとすぐ弱ったり死んでしまったりします。なので潮干狩り中はバケツに海水を汲んで、その中で活かしておきましょう。そして活かしたまま持って帰ったほうが味や食感は良いようです。まあ砂抜きは必要ないので、必ずしも活かして持って帰らないといけないわけではありませんから、暑い季節などは水を切って氷の入ったクーラーに入れてしまうのもありです。調理の前に水道水で洗って砂を落としましょう。