潮干狩りでアサリやハマグリを掘る道具としては熊手やジョレンが一般的ですね。またちょっと熱心な人は草刈り鎌などを改造したりして使うこともあるようです。でも使っていていまいち効率悪いなあとか、疲れるなあとか、小さな子供に使わせるのは危ないなあとか、やっぱりいろいろと不満に思うことがあるわけです。それに加えて、たくさん採りたいだけならジョレン等で水中を引っ掻き回れば良いのでしょうが、それだと熊手にアサリがガリッと当たって「お!いたいた♪」とついにやけてしまうあの感じが無くてぜんぜん楽しくない。あれがなければ潮干狩りの意味がない、という個人的なこだわりもあったりします。
なのでまあいろいろな既存の道具をベースに改良したりして使ってるうちに、2009年頃でしょうか、このような道具を思いついて、最初は木製のもっと単純な形のものでしたが、毎シーズン徐々に改良を重ねてきて今のような形になりました。
まあ使い方といっても、見ればおわかりのようにこれを使ってただ掘るだけなのですが(笑)、いちおう少し詳しく解説しますとこんな感じになります。
●まず干潟の砂を掘り起こすのではなく、鋤き取るというか薄く切るように引きます。深さは2、3cmぐらいのイメージで、これを2、3回。アサリやハマグリは砂の表面から5cmぐらいの間にいますから、普通2回引けば当たった感触があります。
●熊手のように砂ごといちいち掘り起こして、またその中から貝を探すようなことはしません。貝は埋まったまま、上の方だけを引っ掻いてアタリをとるような感じです。
●感触で貝を見つけたら、余計な砂を除けてカイカキの角(もしくは手)で貝を掘り起こします。
●深く掘っても疲れるだけですから、浅く広く掘るのがたくさん収穫を得る秘訣です。ただし、場所や時期によって若干違うので、掘りながらその日の貝のいる深さを確認してください。
●生きた貝は水管を上、足を下にして縦になっていますから、水管側の尖った部分を引っ掻く感触は、慣れてくると他の石や貝殻などと区別できるようになります。さらに経験を積むと貝の大きさや種類も感触だけでわかるようになります。ちなみにアサリだと「ガリッ」、ハマグリだと「ゴツッ」という感じ。
●貝がいないとなにもはじまりませんので、なかなか見つからないときは悩まずに、早く貝のいる場所へ移動してください。いないポイントには早めに見切りをつけるのも大事です。捜索の効率が良いのもカイカキのメリットですから。
熊手と比べた場合の特徴としてはこんな感じ。
メリット
●効率よく広い範囲を掘れる。(同じ時間、疲れ具合で2〜3倍の面積を掘れる。当社比。)
●貝の見落としが少ない。
●尖ってないので小さな子供に使わせても安心。
デメリット
●水中を掘るのは苦手。(見つけるまでは同じですが、回収する手間が煩わしいです。)
●岩混じりの場所を掘るのは苦手。
●管理潮干狩り場のルール、各県の漁業規定などで使用禁止になっている場合がある。
※茨城県については幅20cm、神奈川県と静岡県は幅15cmという規定がありますので、それぞれ20cmタ
イプ、15cmタイプを使用してください。
参考→【都道府県漁業調整規則で定められている遊漁で使用できる漁具・漁法】
※管理潮干狩り場については使用者各自でルールを確認のうえ、違反のないようにお願いします。
というような潮干狩りの道具「カイカキ」ですが、各方面の協力により、ある程度まとまった数を作って一般にも販売できるようになりました。良かったら使ってみてやってください。
【使い方動画】
ユーザーのじゅんぢさんが使い方の動画をUPしてくれました。引き方とか貝に当たった音とかがよくわかりますね。当たった後すぐ手で掘ってますけど、このぐらいの湿った柔らかい砂ならこれでいいと思いますし、この手の作業用手袋はオススメです。後半は「ハマグリ探し棒」の威力も。10cmクラスのハマグリはすごいです。