2026.1.16
プロトラブズが日本から事業撤退だそうで、、、
2020年から採用していたABS樹脂の射出成形品が使えなくなってしまいました。
幸い金型は引き取ることができて、調べるとそれを使って作ってもらえる業者もあるみたいだったのですが、まあ良い機会かもと思って他の方法を考えてみることにしました。金型だと一度決まった形を変更するのは大変で、思いついてもなかなか改良出来ないし、ちょうどマテガンの開発に3Dプリンターが導入できるのでは?と考えていた矢先だったので、グリップも3Dプリントできるかも?と思ったわけです。
まあ元々CADで設計していて3Dデータはありますから、とりあえず形だけ出力するのはすぐできるはず、、、?


とはいきませんでした。
積層方向や造形物の形に応じたサポートの立て方、層間の接着強度などなど3Dプリントならではの考えないといけない条件がいろいろありますね。しかもそれなりの印刷品質で試作するには1本何時間もかかる。あーでもないこーでもないとデータやスライス方法など模索して、なんとか形だけでもグリップ1本走りきれるまでに1週間もかかってしまいました。

さらに必要な強度のための内部の埋め方だとか、ロゴや滑り止め部分など細部がちゃんと成立する積層ピッチだとかをいろいろ試したり。
あと実際の製品を作るとなると量産の問題もありますね。
幸いいろいろ試してるうちに比較的安定して出力できる設定がわかってきたので、5本同時に出力してみたものは無事成功。ただ同時に何本も出力するのはまあ要は同じデータをコピーすれば良いのですが、よく考えると物質化するには×本数分の時間がかかるし、上で見たような失敗のリスクも×本数分増えるので、なんだかんだ言って造形の安定性とスピード、つまりはプリンターの性能が物を言うのだというのをようやくここで実感しました。



で、とりあえずこのあたりから「実際に使える強度なのか?」を確かめるべく、刃を取り付けてフィールドテストに出ました。
まあ普通に使えてますね。
もうひとつ考えないといけないのが樹脂の種類です。
グリップの形状からして縦方向に造形するしかないとなった時点で、層間接着力が強いとされるPETGしかないだろうと思って試作してきたのですが、一応他の樹脂も試してはみました。
射出成形で使っていたABSは造形は比較的安定していてちょっとマットな質感もいい感じなのですが、どうしても層間接着力が上げられず全く使い物になりません。素手でもポキポキ折ることができるぐらい。
PLA+はそれなりに強かったですが、PETGほどの粘りがないのかビス穴が破断しやすかったので却下。
またカーボン強化などの特殊なものはコスト的に合わないので却下。
やっぱりPETGしかないかな?
PETGは物によって多少の違いはあるものの、バイスに固定してプライヤーで力いっぱい曲げないと折れないくらいの強度はあるようです。たぶん干潟でカイカキをうっかり踏んづけてしまったぐらいじゃ折れないんじゃないかな、と。


あとPETGは比較的発色の良いものがいくつかのメーカーからいろいろ提供されてるのも良いですね。色の選択肢は格段に多くなりますし、小ロットでいろんな色を作れるのは楽しいです。逆にメーカーが頻繁に廃盤にしたり改良のため(?)に変更したりするので、全く同じ色のものを何百本と製作したりするのは難しいかもしれません。



ですので、いまのところ安定して供給できそうなライトブルーを当面の標準色にするつもりですが、今後どうなるかはわかりませんね。すでにB品や変更オプションでいくつかの色をショップに並べてますけど、この流れでその時その時で使える色から選ぶ形にしていくようになるかもしれません。

こんな感じで製品として使えそう な状況になってきたので、3Dプリンターもより大型で性能の良いものに更新。
早速9本同時に出力しようとしたら見事に失敗しました。やっぱり単純に増やせば良いってわけではなさそうです。


なんとか設定を調整してライトブルーや蛍光ピンクは成功。


フィールドテストも継続中。
2シーズンいろんなシチュエーションで使ってます が、これと言って問題はなさそうですよ。あとは耐久性ですかね。


2025年から刃のラインナップも一新しましたので、新商品のグリップはこのようにPETG樹脂の3Dプリント品となります。
旧来からの商品もABS(黄色のやつ)が無くなり次第PETGに移行予定です。
なお投入間もない製品ですので、もし使用中に破損などの問題があった場合には状況含めてご報告いただけると改善に役立って非常にありがたいです。よろしくおねがいします。