現行(2015)モデルの図面です。

中には自分でも作ってみようという熱心な人もいるでしょうから、ちょっと粗いですが参考までに載せておきます。どんどん作ってみてください。製品化する前のような木製であれば、ホームセンターで揃う材料とちょっとした工具があれば作れますし、意図するところは同じでも、特殊な状況に対応するバリエーションや、他にもいろんな形のアイディアがあり得ると思います。

掘削部(刃)

製品化するにあたっての一つの大きな課題は、刃の断面形をどうするかでした。模索段階で使っていたのはステンレスフラットバー(FB)の2×10。材種はSUS304の冷延材(コールド材)と呼ばれるもので、普通にホームセンターに売ってます。これはアサリが主なターゲットになる通常モデルとしては、強度的には十分すぎて、できればもっと薄くて軽くて砂の抵抗が少ないほうがいい。10mmという幅についても、砂を掻き取る効率と抵抗のバランスに影響するので、もっと狭いほうがいいのか広いほうがいいのか模索してみたいと思ってました。

ということで2015年に入ってからですが、全体の設計を進めていくなかで、刃の材料についても金物業者やネットの切り売りショップを数件あたって、厚さは1.2と1.5、幅は8〜15の範囲で数種類入手して試してみました。この厚みはFBには規格がなくて(FBは2mm〜)、シート材からの切り出しになります。これが同じSUS304のコールド材ではあるのですが材の特性として若干柔らかく、1.2mmはさすがにフニャフニャで使い物になりません。それで1.5mmで幅をいくつか試し堀りしてみた結果、最終的に1.5×10に落ち着きました。さらに刃の長さも260mmと220mmの2タイプに決定。

 

しかし1月や2月の頭に潮干狩りをしたのはこれが初めてでした。

いやまじ寒いっす(笑)

1.2×12、1.5×10、2.0×8

刃の材料については実を言うとまだ完全に納得できているわけではないのですが、商品として妥当な価格内で提供できる範囲としては、今のところはベストと言えるのではないでしょうか。焼入れの効く炭素鋼などを使えば、もっと薄い材料で、軽くて抵抗の少ないものにできるのはわかってるのですが、加工技術にしても価格にしても個人の手作りではハードルが高すぎて手が出せません。(どこか安く作ってくれるという人いませんかねぇ?)

グリップ

もうひとつの課題はグリップです(というかこの2つしかありませんけど)。模索段階のように木を削って何十個も作るというのは、さすがに時間も労力も(医療費も)シャレになりませんので、樹脂で整形することにしました。これは構想としては以前から考えていたのですが、今回、知り合いのとあるルアー工房の協力を得られたことで可能になりました。

簡単に言うと、3Dデータを作ってそれを3Dプロッターで出力してマスターになる鋳型(鋳型の鋳型)を作ります。そのマスターにシリコンを流し込んでシリコン型を作り、そのシリコン型にウレタン樹脂を流し込んでウレタン樹脂製のグリップが出来上がる、という仕組み。一つのシリコン型からは数十個しか抜けないのでそういう3工程になってしまうのですね。

しかし3Dデータからいわば自動的に(いやもちろんこの間にいろんな緻密な手作業の工程があるんですけどね)モノが出来上がってしまうというのは、ちょっと文明論的な進歩ですね。なんか妙に感動します。

 

ボクの仕事としてはとにかく3Dのデータを作成すること。基本形状としては、グリップ部分は模索段階に作った2014年版の掌側を改良した形、首の部分は2013年版と2014年版の折衷案のような形です。元々本職ではCADで設計してますし、形状は数年にわたる手作業でスタディし尽くしてますから、3Dプロッターや樹脂工程での制約条件を把握してそれに対応することと、滑り止めや軽量化のための肉抜きとか部分的な問題を解決すればだいたい完了です。一度、一体型でモデリングして試作までやってみました(上の3本並んだ写真のものがそれ)が、首部分の強度アップと樹脂工程の材料費節約などを考慮して、最終的にはグリップと首を分割して作るような形になりました。さらに首とグリップの接合は最初接着剤だけでいけるかなと思ってたのですが、若干不安が残るので製品版では接着剤とビスの併用としています。

​※2017年からグリップは分割式をやめて一体成型に変更しました。顛末はこちら

​※2019年からグリップ強化のためABS樹脂を使用しています。顛末はこちら

​※2020年から金型を使った射出成形に切り替えました。顛末はこちら

1.2mmと2.0mm